社会文教常任委員会報告
子育て支援・認知症対策を調査
兵庫県明石市・神戸市を視察
◯所管事務調査日
令和7年1月30日~31日
◯出席委員
委員長 / 中村 博保
副委員長 / 下島 里美
委員 / 藤田 昌弘
委員 / 栩本 力
委員 / 中村 博道
調査の目的
明石市
子育て支援
「こどもを核としたまちづくり」を重点施策とし、子育て支援における5つの無償化(高校3年生までの医療費、中学校給食、第2子以降の保育料、公共施設の入場料、1歳までのおむつ代(すべて所得制限なし))を順に実現してきている。国、県の合計特殊出生率を上回る明石市の子育て支援施設の運営状況等を当町の少子化対策等の参考としたい。
神戸市
認知症対策
神戸市の高齢化率は29%。比較的高齢化が緩やかな神戸市が、なぜ政令都市初(当時)となる「神戸市認知症の人にやさしいまちづくり条例」の制定に至ったのか、ま
た「認知症神戸モデル」と呼ばれる事業の状況等はどうか、これらを当町の認知症対策の参考としたい。
視察先の概要
明石市
●こども健康センター「あかしこども広場」
妊娠期から中高生まで幅広い年齢の子育てをサポートする総合施設として設置されており、ファミリーサポートセンター、保護者のリフレッシュ等のための一時保育ルーム、親子交流スペース、中高生世代交流施設等が整備されている。ほとんどの施設が市民は利用料無料。
●おむつ定期便
生後4カ月目〜満1歳の誕生月まで(最大10回)、毎月無料で赤ちゃん用品と子育て情報誌等を配達し、見守り支援員(コープこうべの従業員)が不安や悩み・心配ごとはないか、声掛けをする。相談内容に応じて市の関連施設・関連部署につなげる。
神戸市
●認知症神戸モデル
「神戸市認知症の人にやさしいまちづくり条例」を制定し、「認知症神戸モデル」の取組を実施している。
65歳以上の市民が身近な医療機関で、無料で認知症診断を受診できる。また、市が賠償責任保険に加入し、認知症患者による事故等の被害者に見舞金を支給する。
個人市民税均等割超過課税として年額400円を市民が負担している。
あかしこども広場の様子
認知症神戸モデルの説明を聞く議員
まとめ
- あかしこども広場は、こどもに限らず広く多世代に受け入れられている。中高生の「楽しい」「やってみたい」を応援する「中高生世代交流施設」は個人が楽器演奏やダンスができる。非常に参考になった。
- おむつ定期便は、赤ちゃん用品を無償で配る経済的な支援と、子育ての先輩からアドバイスを得る機会を同時に提供できる。産後の不安定な精神状態で子育ての不安や孤独感・社会からの疎外感を抱える保護者の大きな助けとなると感じた。
- 認知症は誰もがかかる可能性がある。自分が認知症患者であることや家族に認知症患者がいることを隠さず地域で共有できるかが人口減少時代の地域福祉のカギであると言われている。認知症神戸モデルはそういった住民意識の醸成にも非常に役立つと感じた。