奈良市は、クリーンセンター建設計画策定委員会(以下「策定委員会」)から、七条町・北之庄町・大和田町の3か所が新クリーンセンターの建設候補地に適していると令和7年6月に答申を受けた。これを受けて、議会において設置されたごみ焼却施設等検討特別委員会が9月、11月、12月に開催され、審査・調査が進められている。
委員会では、七条地区を巡る課題や選定過程の妥当性を問う請願と、3候補地の地質調査を行う補正予算案について審査が行われた。9月の委員会では、七条地区については、洪水リスクやコストの高さ、七条地区での建設に反対する請願を採択しているにもかかわらず、候補地として残されていることの是非などを指摘する意見があった。また、現地での建て替えと他の候補地との費用比較や市民への丁寧な説明を求める意見が出される一方で、市は、公害調停が締結されていることを理由に「現地建て替えはできない」との立場を再三にわたって示した。
11月の委員会では、奈良県公害審査会から移転に関する義務履行勧告が出されたことを踏まえ、公害調停の拘束力や移転費用、広域連携の可能性などについて議論が行われた。市は、改めて移転の姿勢を示す一方で、委員からは公平・透明な比較検討を求める意見が出された。
12月の委員会では、3候補地以外の地区から、候補地選考に関する提言書が提出されたことを踏まえ、議論が行われた。提言は、雇用創出や防災拠点化など、地域に貢献する施設であることから、今後、地域住民と協議し、候補地として受け入れていけないか検討する余地があるとする内容で、委員会では新クリーンセンター建設に向けて前向きな意見も出された。今後、委員会では、引き続き請願と補正予算案を審査すると共に、焼却施設とリサイクル施設の分離整備や防災面からの配置検討、最小限の規模設定などについて協議が重ねられる見込みである。