佐保小新校舎建設 再入札で業者決定

上:佐保小学校新校舎イメージ

下:現在の鼓阪小学校
佐保小学校と鼓阪小学校を統合させ、佐保小学校敷地内に新校舎を建設する工事の再入札は、51億7880万円で特定建設工事共同企業体が落札したため、この企業体と契約を結ぶ議案が令和7年3月定例会で提出され、議会は賛成多数でこれに同意しました。
一度目の工事入札が不調になったことを受け、市は資材や人件費の高騰などを理由に、議会が認めた債務負担行為の額を約51億円から大幅に増額する補正予算案を6年9月定例会で提出しました。しかし、議会では、「一つの小学校を建設するにはあまりに高額」との意見が相次ぎ、最終的にこの補正予算案は否決されました。その後、12月定例会で増額分を圧縮した補正予算案が再度提出されましたが、議会はこれも認めず、約51億円の枠組みでの工事の実施を求めていました。
今回の再入札は、議会での議論の中で指摘があった内容を踏まえて実施されたもので、4月から工事が始まり、9年度の開校が予定されています。
解体にアスベストの懸念
解体する現在の佐保小学校校舎にアスベストが含まれていることが明らかになりました。市は解体工事を児童らが通学しながら行う「居ながら工事」で行う計画です。議会では、市に対して工事中の児童らの安全対策を強く求める声が上がりました。
校舎には、事前に行ったアスベストの含有調査で、建物の外壁の仕上げや床、天井などにアスベストが含まれていることが確認されました。授業中にも解体工事が行われる手法であるため、十分な安全対策、飛散防止対策に加えて、学校関係者や近隣住民への十分な説明を求めました。
鼓阪小の存続求め、児童から請願
一方、佐保小と統合される計画の鼓阪小の児童らからは、統合の反対を求める請願が議会に提出されました。児童からの請願提出は初めてです。
7年3月定例会では、この請願を含めて統合反対4件、賛成1件の計5件の請願の審査を行いましたが、全て審査を継続することになりました。また、議会では、工事請負契約が締結された新校舎建設と、統廃合の問題は切り離して議論すべきとする意見などが出されました。
附帯決議を可決
これらの内容を踏まえて、①工事に関して児童や保護者らに十分な情報提供を行うこと、②工事に変更が生じる場合は議会に報告すること、③鼓阪小の児童や保護者らとの意見交換を行うこと、④今後提案される学校設置条例改正案を検討することの4点について適切な措置を求める附帯決議案が提出され、議会はこれを可決しました。